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宇都宮大学
流体工学研究室
 

研究紹介RESERCH

マグナス風車

 自然環境保全が重要視されている今日、自然エネルギーによる発電システムの開発が進められている。その中でも比較的コストパフォーマンスに優れる大型風力発電の建設が世界中で加速している。しかし、大型風力発電は風況状況が良く電力消費地に近いなどの条件を満たすのが難しい。風況の良い洋上発電へのシフトも検討されているが、送電線の整備やメンテナンスのコストがかかるなどの課題が残る。そこで、小型で高性能な風車であれば、風の少ない都市部などの居住区にも設置でき、送電線の整備のコストを減らすことができる。

 そのような背景のもと、開発が進められているのが、マグナス効果を利用したマグナス風車である。マグナス効果とは、一様流中に置かれた円柱または球が回転することにより、回転物体に一様流と垂直な力(揚力)がはたらくことである。右から左に吹く風の中に右回りする回転円柱があるとき、円柱上部の風速は増速し、円柱下部の風速は減速する。結果として、円柱の上下で速度差が生じる。よって、ベルヌーイの定理(速度が大きいほど圧力が低くなり、速度が小さいほど圧力が高くなる)より円柱は上方向に揚力を得る。

図1.マグナス力について

 マグナス風車は通常の翼の代わりに回転円柱を設置し、それを回転(自転)させて発生する揚力により風車全体を回転(公転)させて発電する風車である。マグナス風車は得られる揚力が大きいほど発電性能は高くなる。現在、回転円柱にスパイラル状のフィンを付加することで大幅に性能向上することがわかり、そのメカニズムについても解明された。

 今後の研究としては、マグナス風車の効率をより向上させるための翼の円柱形状の開発が主となってくる。下図の図2にマグナス風車の原理図について示します。


図2.マグナス風車の原理図
出典:株式会社MECARO

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