研究紹介Research activities
流体振動発電
1.研究背景
近年の温暖化対策として、の排出量の低減とクリーンエネルギー創成技術が注目されている。このために、化石燃料の代替エネルギーや化石燃料を必要としない発電技術が多く研究されています。しかし、太陽光パネルや風車は設置や運用にコストがかかり、必ずし
も十分でないと考えました。その中で、環境発電は再生可能エネルギーとしてよく知られているソーラー発電や水力発電のような大規模な発電を目的とするものではなく、本来であれば捨てられてしまう排熱、排風、振動などを有効に利用して発電し、使われた電力を回収
して再利用することで、消費エネルギーの低減への貢献を目指し、身近な利用を目指します。
ここでは一様流中における薄膜体の振動に関する研究を行い、発電に効果的な振動現象を明らかにすることを目的としています。
2.振動発電について
空気の流れによって発生した振動の運動エネルギーを電気エネルギーとして得ることを振動発電と呼びます。振動発電には様々な種類の方法がありますが本研究では圧電素子の薄膜を空気の流れによって振動させることで発電しています。
3.圧電素子について
圧電素子とは圧力を与えると電圧が発生する(圧電効果)、また電圧を加えると素子自体が変形する(逆圧電効果)物質です。圧電素子には、圧電効果をもった圧電材料が使われています。力が加わると(+)プラスイオン、(ー)マイナスイオンの位置が動き、(+)と(ー)電荷の偏り(電気分極)が生じることで、電圧が発生します。

図1.圧電効果、逆圧電効果について

図2.電圧発生の原理
*出典:ローム株式会社
宇都宮大学 流体工学研究室
〒321-8585
栃木県宇都宮市陽東7-1-2
2024.7.21 鈴木湧人君 受賞
鈴木湧人君(博士前期課程)が,ベストプレゼンテーション賞を受賞しました。