バドミントン (badminton) はネットで二つに分けられたコートの両側にプレーヤーが位置し、シャトルコック(通称シャトル)をラケットを使って打ち合い、得点を競うスポーツです。インドネシアやマレーシアの国技となっています。
バドミントンの特徴として使用されるシャトルコックが挙げられます。シャトルコックは他のスポーツで用いられる球とは大きく異なる空力特性を持っています。一つ目の特性として大きな減速特性が挙げられます。シャトルコックを思い切り打っても球のように遠くには飛ばず、すぐに減速し真下に近い角度で落下します。我々の研究の成果として、シャトルコックの羽根の付け根の間の隙間部がこの減速特性を生み出していることがわかっています。
二つ目の特性として高い姿勢安定性(空力安定性)が挙げられます。シャトルコックはラケットとのインパクトの直後にくるりと反転し、コルクの部分を進行方向に向けた状態で安定飛翔します。現在我々は、この強い姿勢安定性もシャトルコックの隙間部が関係していると考え、シャトルコックがくるりと反転する様子(反転挙動)
について研究を行っています。
参照:風の事典,第12章風とスポーツ, バドミントンーおもしろさの鍵はシャトル(長谷川裕晃), 丸善出版, 2011, P240
下図の図1は、スモークワイヤ法による可視化結果になります。このように風洞を用いてシャトルコックの反転挙動を模擬し、シャトルコック周りの流れ場の研究を行っています。
下図の図2は非定常PIVの実験装置になります。非定常PIVによる流れ場の計測を行いより定量的に流れ場の解析を行います。
(動画はスマートフォンでは見れない場合があります)
図1.高速度カメラでのシャトル反転挙動時の流れの可視化
図2.実験装置
2024.7.21 鈴木湧人君 受賞
鈴木湧人君(博士前期課程)が,ベストプレゼンテーション賞を受賞しました。