研削砥石のバランスが崩れると、研削面評価だけでなく、
砥石軸に負担をかけたり、共振振動で砥石軸から砥石が外れるという
危険性があります。この機会に砥石バランスの仕組みをよく理解し、
一人でも多くの方が体験して頂ければ幸いです。 ※平面研削盤(黒田精工) 砥石形状:外径205×幅19×穴径50.8 ※ダイヤモンドドレッサー(旭ダイヤ) BD220C φ11 | |
![]() | ![]() バランサー台 |
![]() | ![]() バランサー台はX-Y方向の水準を取ること |
砥石バランサー台に砥石を置きますと、砥石は自然に回転します。 ある時間が経過すると砥石は止まります。このことは、真下の部分が 砥石の重い事を意味し、真上の位置が砥石の一番軽い事を意味します。 この軽い部分にマークを付けましょう。 | ![]() |
研削砥石の一番軽い位置がわかりましたので、マークの位置に1つの おもりを付け、左右にそれぞれおもりを付けます。全体で3個のおもりが 必要となります。 | ![]() |
おもりを付けた部分を下にしてください。砥石の 一番軽い部分におもりを付けたので、砥石を真下にしても 常識的には回転しないはずですが、砥石が回転する場合は おもりの数が足りないことになるのでその場合は追加します。 | ![]() |
おもりの数が決まりましたので、次の作業からは砥石のバランス作業に なります。マークしたおもりはそのままの位置に固定して、左右にある おもりをマーク位置から約120°程度移動してください。 | ![]() |
砥石緑色面のバランス作業を行います。マークした位置を右90°方向に 動かしてください。この状態で砥石が右方向に回ったら右方向側が重いと いうことなので、この場合は「緑○おもり」を左側に動かしてください。逆に 左方向に砥石が回る場合は「緑○おもり」を右方向に動かします。この作業を 繰り返して、砥石が回らない位置におもりを固定します。 | ![]() |
砥石紫色面のバランス作業を行います。マークした位置を左90°方向に 動かしてください。この状態で砥石が右方向に回ったら右方向側が重いと いうことなので、この場合は「紫○おもり」を左側に動かしてください。逆に 左方向に砥石が回る場合は「紫○おもり」を右方向に動かします。この作業を 繰り返して、砥石が回らない位置におもりを固定します。 | ![]() |
砥石左右のバランスが大体とれましたので、つぎに最終バランス作業を 行います。砥石を任意の位置に置き、右方向に移動したら左方向に おもりを移動し、また、左方向に移動したら右方向におもりを移動する 作業を繰り返し、最後にどの位置でも回転しなければバランス作業は終了です。 ただし、研削盤に砥石を取り付けてドレッシングをすると砥石のバランスも 変わってしまいますので、機械から砥石を取り外してバランス微調整をする 必要がありますが、この場合、最初の行程からやるのではなく、この行程の 作業程度でバランスはとれると思います。 | ![]() |