真円度測定機の操作方法
1.はじめに
本機は、真円度測定の他に、平面度・同心度・同軸度・円筒度・直角度・ 平均径・径偏差・平行度などの測定が行えます。操作方法をよく理解し、 研究室仕様にしたがって丁寧に操作されてください。
《使用注意》
真円度測定機は空気軸受けを使用しています。 空気が供給されず、測定物を測定テーブルに直接乗せたり、 軸受けを回転したりするとすぐ故障してしまいます。このようなことは 絶対にやらないでください。
検出器を誤操作で測定物に当ててしまうと 衝撃で壊れてしまいます。大変高価な物ですので取り扱いには十分 注意してください。

 ※チャックできる範囲 外径:φ7-79mm、内径:φ20-90mm
 ※最大積載荷重:25Kg
 ※記録紙:E-CH-R06A(10ケ入) 
 ※検出器:E-DT-R32A ( \12万円 ) 
 ※測定子:0194002
 ※東京精密ロンコム40C
2.立上げ方法
@エアードライヤの本体スイッチ(100V)をON。 Aバルブを開けて測定機に空気を供給。
B真円度測定機本体のスイッチ(100V)をON。 C配電盤電源(200V)をONにしコンプレッサーを稼働。


3.初期動作
  1. 真円度測定機テーブルに空気が供給されたら、2−3回 テーブルを回してください。
  2. 零点自動復帰(Z=45mmの位置)のため、Z軸方向に検出器が勝手に 上下しますので、前もって検出器はテーブルより遠ざけておいてください。
  3. 操作パネル面に 「可動区間の安全を確認しインチングの 上下スイッチを押してください」というメッセージが出たら、 「起動」スイッチを押してください。
  4. 「現在値表示」を選択しますと、X-Y-Z 軸の現在位置が表示されます。

4.センタリング( C-X C-Y )
 ※センタリングとは、測定器回転中心軸と測定物の中心軸を合わせる作業を 意味します。
  この作業は省略せず丁寧に行ってください。
  1. ワークをチルトクロステーブル上面の円と同心になるように 固定します。
  2. 検出器とワークを 0.5-1mm 離し、その隙間が全周に置いて ほぼ等しくなるように、センタリングつまみ (右下写真の  C-X つまみ )で調整します。
    0゚の隙間aと、チルトクロステーブルを180゚回転させたときの隙間 bとの差の1/2の幅をセンタリングつまみA(C-X)で調整します。
    さらに、90゚と270゚も同様に行います。
  3. 検出器をワークに当て、モニター画面の指針が中央にくるように 検出器微動つまみ、またはゼロ調整つまみで調整してください。
  4. テーブルを180゚回転させその指針の振れ幅を確認し、センタリング つまみで 1/2 幅になるよう調整してください。
    さらに、90゚と270゚も同様に行います。
  5. 測定倍率を上げるたびに先程の作業を繰り返してください。
5.チルチング( T-X T-Y )
 ※チルチングとは、測定機回転軸と測定物軸の調整を意味します。

(a). 測定円周が 45mm の位置にある場合
  1. 測定円周が 45mm の位置にある場合は 45mm の位置でセンタリングを行います
  2. チルチングはこれより上側の位置に検出器をあて、 0-90゚ と 90゚-270゚ の調整はチルチング (T-X T-Y)つまみで 行います。
(b).測定円周が 45mm の位置にない場合
  1. 測定円周が 45mm の位置にない場合は、H1 の位置でセンタリングを行ってください
  2. 0-90゚と90゚-270゚のチルチングは、H2 の位置で行ってください。
(c).センタリング・チルチングが不慣れの方へ
  1. メニュー画面(1)より、「センタリング」を選択
  2. 「チルチングを実行しますか?(YES/NO)」では「YES」を選択すると チルチングが実行されます
  3. 検出器を当てテーブルを一回転させる(時計方向に回す)
  4. 1周分のデータの取り込みが終了すると「センタリングの画面」に切り替わり、 画面の偏心量の棒グラフがなくなるまで「CX」または「CY」のつまみを回す。 棒グラフがなくなったら「END(F3)」を押します。
  5. 検出器をワークに当てたまま、Z軸をチルチングの高さまで移動して テーブルを一回転するとチルチング(4)の画面に切り替わります。
    先程と同じように、 画面の偏心量の棒グラフがなくなるまで「TX」または「TY」のつまみを回す。
    棒グラフがなくなったら「END(F3)」を押します。
6.測定項目一覧
7.真円度測定の手順
  1. 測定倍率にて、センタリング・チルチングを行ってください。
    ※測定範囲は、×50-×50K。

  2. 操作パネル面の真円度測定項目キーは「○」ですのでこれを選択してください。

  3. 操作パネルの「中心法」を選択してください。
    ※N・Cとした時は測定データそのままの図形を表示。 LSC は、偏心補正されている図形になります。

  4. 操作パネルの「フィルタ」を選択してください。
    ※一般的には、150 山を推奨 (フィルタによって出力形状や真円度値が変わります)。

  5. 操作パネルの「起動キー」を押してください。

  6. 測定終了後、LCDに形状が作図されます。

  7. プリンターキーが選択されていると、プリンタに自動出力されます。

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